

ニコンFは1959(昭和34)年6月生まれ、今年還暦ですね。Fについてはたくさんの方が研究されていて今更なんですが、「これはあくまでも個人の感想です」といったレベルです。私がFに興味をもったのは1980(昭和55)年辺りからですからすでに発売から20年以上たったカメラでした。中学校の写真部時代「セルフタイマーのレバーが仏壇の金具みたいだ」「シャッターボタンの位置が人間工学的じゃない」などと散々バカにしていたのですが、これは当時のペンタックス党の党首として絞り込み平均測光、ネジマウントのペンタックスを擁護するための発言でした。でも、今でもペンタックスSPのデザインはすばらしいと思っています。私が言っていたシャッターボタンの位置やセルフタイマーのレバー(ニューF・F2では樹脂製のカバーが付いた)の件はF2では解消されていましたが、何故、古いFに惹かれたのでしょう。自分でもよく分かりませんが、たぶん子どもの頃ピーマンや春菊が大嫌いでもも、大人になるとピーマンの入った酢豚や春菊天そばもおいしく食べられるようになるのと同じ感じかもしれません。


ニコンFは、大雑把な分け方では、初期、後期、ニューFと三つのタイプがある。初期と後期は、軍艦部の巻き上げレバー側にあるロゴが日本光学マークかNikonの文字かが分かれ目になるようだ。この光学マークは「奴さん」とか「富士山マーク」などと学生時代は呼んでいたが、ニコンの方に「これは富士山ではなくプリズムとレンズをデザインしたものです」と注意された思い出がある。専門家?の分類によるとセルフタイマーのレバーや、Tファインダー、FTNファインダーの取り付け可など様々な変化があるが、ニコンでは新しい変更に対応した改造を受け付けてくれていたので、中古で購入したFはオリジナルであるのか見極めるのは難しいようだ。

軍艦部巻き戻しクランク側にある7桁の番号(製造番号・製品番号・ボディー番号などと呼ぶ)によって、67~中期辺りで変わるようだ。アイレベルファインダーの接眼部が長方形から分厚い正方形の枠に中が円形になっている。押しにくかったファインダーの着脱ボタンの枠に横溝が入っているのも分かりやすい変化だ。

参考文献 カメラレビュー ニコンF40年 朝日ソノラマ