現有19形式 ⑨ 画期的大型貨物機 D50

宮沢模型製D50 砂箱は角ばってる 

 大正12年(1923)に国産標準機第1号の9600を上回る大型強力機の要請に応じて新製された。大きな砂箱、化粧煙突、前面デッキにの上にむき出しで乗った給水温め器が印象的な大正の名機。9600に比べて一まわり大きな動輪。従輪がついてがっちりと安定した感じを受ける。スピードアップのための動輪径の拡大と出力アップのための大型ボイラに1D1ミカド形(明治中期にアメリカから輸入された9700がミカド形の元)軸配置が採用された。新製時には9900形式と呼称されたが昭和3年の機関車称号規定の改正でD50形式と改められた。メーカーは川崎車両198輌、日立製作所80輌、汽車会社69輌、日本車両33輌の380輌で川崎車両の比率が高い。D50は貨物または勾配線用機であるため搭載する砂容量を増大し、1個にまとめたため大型化している。砂容量は9600の約三倍近くで、D51よりも多く搭載したようである。勾配または貨物用では砂の使用は粘着力増大の奥の手であり、また命綱となる場合もあったので機関士には搭載量が多いほうが好ましかったようである。超大型の缶上式で製造会社によって標準的な設計を変更しその社の特色を出している。汽車会社製の砂箱は角張っていて、川崎車輌製は丸味をもっている。いずれにしても「ごはん蒸し」の異名もあったそうだ。

どちらも宮沢模型製のⅮ50 門鉄デフ付きもあった。どちらも汽車会社製のような角張った砂箱だ。後に川崎車輌製の丸味をもった砂箱のタイプも発売されたらしい。

機関車軸配置

日本国鉄式通称国鉄テンダー機関車
1Cモーガル8620 C50 C56
1C1プレーリーC58
2C2ハドソンC60 C61 C62
2C1パシフィックC55 C57 C59
1Dコンソリデーション9600
1D1ミカドD50 D51 D61
1D2バークシャーD60 D61 D62

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