ミノルタSR-T101

世界初TTL上下分割開放測光搭載で大ヒットして100万台以上売れたらしいSR-T101

 友人から「家に古い一眼レフがあるんだけど」と言われて見せてもらうと大体皮のケースに収まったペンタックスかミノルタSRシリーズだった。1970年前後、家のお父さんが気合いを入れて購入したカメラの代表がペンタックスSPとミノルタSR-T101だったようだ。SR-1を小型軽量化したニューSR-1やそれに外光式露出計を内蔵したニューSR-7よりも背が高くスタイルは悪くなったような気がするが、「二つのCdSを搭載しているからしょうがないんだ、CLC(Contrast Light Compensator)の刻印があるだろう。」と説明を受けたことがある。

直線を基調にスマートなデザインになったSR-1を小型改良したニューSR-1とSR-1シリーズとしては初めて1/1000秒を搭載したニューSR-1S
左がニューSR-7、右が初代のSR-7。デザインと大きさの変化がわかる

ミノルタSRシリーズは初代のSR2から18年間製造が続けられた。その中でもミノルタSR-T101はロングセラーモデルだった。アクセサリーシューがホットシュー(X接点付き)になったり、ファインダー内にシャッタースピードだけでなく絞り値も表示されるようになったSR-T SUPER、SR505と発展していく。

SR-T101の改良モデルSR-T SUPERホットシュー(X接点付き)になった
SR-T SUPERを改良したSR505。1975年のデビュー。ミノルタSR-T101が1966年だから9年後。小学生の私が大学生になっていました。

 時代はニコンがF2、キヤノンがF1の頃、さすがにSR505はあまり見ることがなかったカメラでした。ロングセラーのSRシリーズも1973年デビューのファインダー交換式のX-1から始まるXシリーズに道を譲ることになります。「不変のミノルタマウント」は引き継がれることになるんですが。

 X-1のデビューは鮮烈でした。高校三年生の私はカメラショーへ行って分厚くて豪華なX-1のカタログをたくさんもらった記憶があります。そのうちX-1の話もしたいと思います。

鮮烈なデビューミノルタX-1ミノルタ初のフラッグシップ機

 フラッグシップ機と聞くとこのミノルタX-1を思い出します。追針式のMファインダーが舟形なので旗艦のイメージがあるのかな。

 あとSR505の改良で背面部分のメモホルダーがありました。フィルムの箱のベロをちぎって入れておいて何のフィルムを入れたか忘れないようにするもの。各社でも付けていましたが使わなかったなあ。

SR505のフィルムの箱のベロを入れておくメモホルダー

ミノルタSRシリーズの話

ミノルタ初の一眼レフミノルタSR2

   1958(昭和33)年ミノルタの最初の一眼レフSR2が発売される。クイックリターンミラーでセルフタイマーも搭載した高級機だった。何故最初が1ではなくて2なのか不思議だが、後にシャッタースピード最高速を1/500にスペックダウンした普及機のSR1が発売されている。

 SR2はシャッターを押してフィルムを巻き上げると絞りが開放になるタイプで完全自動絞りとは言えない。シャッターダイヤルは引き上げて回転させるタイプでクリックストップではない。レンズ付きの丸いフィルムカウンターが巻き戻しクランク側にある。巻き上げると順算していく。今(昭和40年代以降かな?)の一眼レフでは当たり前の巻き戻しレバーを引き上げると裏蓋が開くタイプ(ロックはなし)。ニコンFやニコマート、キヤノンやペンタックスの初期の一眼レフも違いますが、ニコンはF3から、キヤノンはF-1から、ペンタクスはSPからこのタイプですね。結局売れ筋はスペックダウンした普及機のSR1だったようです。

SR2と初期のSR1(シャッターダイヤルがクリックストップになった2代目の機種)

 最初は外付け露出計は用意されてなかったので、どちらもロゴは巻き上げレバー側にある。

SR2の改良モデルSR3

 シャッターダイヤルに連動する外付け露出計(セレン光式)が装着可能になったSR3。ロゴは巻き戻しクランク側へ移動。メーターを装着してもロゴが見えるのがキャノンフレックスR2000と違うところですね。発売された翌年には完全自動絞りに改良され、レンズも変わることになった。シャッター最高速は1/1000秒。

SR1+メーターⅡ型とSR3+メータⅠ型

 すかさずSR1もシャッターダイヤルに連動する外付け露出計(セレン光式)が装着可能になり、どちらも完全自動絞りとなる。SR1のシャッター最高速は1/500秒のまま。この時期までレンズ付きの丸いフィルムカウンターはまだ巻き戻しクランク側にあってこれが結構見やすい。「CHIYODA KOGAKU」(ミノルタカメラの以前の社名千代田光学精工。ミノルタはそのカメラのブランド名だった。)の刻印が巻き上げレバー側にあるのもSR2と同じです。そう言えばミノルタももう無いですね。ミノルタとはかつて日本に存在したカメラメーカーでって説明がいる人は、これ読んでないですよね。

SR1最後期(フィルムカウンターが四角く巻き上げレバー側、MINOLTA CAMERA刻印)と中期?(外付け露出計装着可、完全自動絞り、シャッターダイヤルクリックストップ、)

 1962年にミノルタSR7というCdS露出計内蔵の一眼レフが発売される。これはミノルタSRシリーズの7代目らしいが、SR4、SR5、SR6というカメラは存在しない。SR2やSR3を飲み込むようなSR1のマイナーチェンジも数えての7代目なのかなと思います。

ニューSR1+メーターⅢ型とニューSR1s

 私がペンタックスSPを購入した頃、ミノルタの主役はTTL測光のSRT101でしたが、露出計を内蔵しないニューSR1sという機種がありました。今見てもスマートなかっこいいカメラだと思いますが、当時のペンタックス党では「ミノルタは本社が大阪だからな。」の一言で欲しいし、いじりたくても興味のないふりをしていました。関東の人間は大阪より東京と思っていましたね。でも、本社が大阪市中央区安土町と聞いて、安土桃山時代からあるのかと感心したりしていました。バカな中学生でした。